chronic life

地下室の屋根裏部屋で

跳び箱の中から

跳び箱の中に隠れて、色々と眺めているのは確かに気持ちいいのかも知れない。実際、今僕はその真っ只中に身を置いている訳で、それが嘘だとも想わない。そして、一度隠れてしまったら、次に再び姿を現すと云うことに、大変な労力を必要としているということも、僕は如実に知っている。いや、深く強く実感さえしているのだ。だから、僕は今も此処にいる。しかし、それではいけないのだ。駄目な自分を受け容れる寛大さや優しさよりも、今の自分に必要なのは、自分に――自分の欲に厳しく接し、答えを導き出すことなのである。
……と、社会や現実に立ち向かうと云う方向に向かって、一見立ち直るように見せ掛けておいて、所詮それもフェイクなのだろう。
何も変わっていない。
変わっていない。
樹木が紅葉するかの如く、枝葉は変わったかに見えたとしても、意識的に隠匿されている末節の部分に関しては、全く何の変化も無い。いや寧ろ、その不変さはより強固なものへと昇華されていってしまうのだろう。そう――立ち直ると云うポーズの方へ、逃げているだけなのである。
いや、是も又、何処迄が本当なのやら? 僕には判らない。判らないよ……。