chronic life

地下室の屋根裏部屋で

人のセックスを笑うな/山崎ナオコーラ/『文藝』2004年冬季号所収

オレのファンタジーにぴったりな形がある訳ではない。そこにある形に、オレの心が食い込むのだ。

このペンネームとタイトルで、面白くなかったら詐欺だよなぁと想っていたら、予想以上に面白かったので、僕は無性に嬉しくなってしまった。小説を読んで、楽しかったり面白かったりすることはよくあるけれど、嬉しいと云うのはなかなか珍しいことなので、それに気付いて僕は更に嬉しくなった。
読み終わって、悔しいとか焦るとか羨ましいとか云う気持ちより、純粋に「あぁ、また面白い小説を書く作家さんが一人増えて喜ばしいなぁ」と云う感動の方が強かった。判り易く云うと、僕は山崎ナオコーラのファンになったのだ。うん、判り易い。
しかし何と云うか、こういう面白い小説を読んでしまうと逆説的に、「やっぱ恋愛とかってするものじゃなくて観たり読んだりして楽しむものだよなぁ」と云う想いが強くなってしまって、いいんだか悪いんだか。いや、僕はそれでいいと想ってるんですけどね。
僕が読んだのは去年の『文藝』冬号なんですが、折角なので単行本の方も紹介しておきます。あー、本当に良かった。

文藝 2014年冬季号

文藝 2014年冬季号

人のセックスを笑うな

人のセックスを笑うな