chronic life

地下室の屋根裏部屋で

2017年3月の読書まとめ

 ジャンルは色々と読めたので、後は数なんですよねぇ……。

2017年3月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1600ページ
ナイス数:34ナイス

紙の碑に泪を (講談社ノベルス)紙の碑に泪を (講談社ノベルス)感想
ハッハッハー! 何作か溜めてしまっていたんですが、やはり年に一冊は読みたい味でした。更にもう一捻りあれば……と云うのは、高望みって奴ですかね。
読了日:3月9日 著者:倉阪鬼一郎
増補新版 芸能人はなぜ干されるのか増補新版 芸能人はなぜ干されるのか感想
この「増補新版」が刊行された昨年9月以降に限っても、芸能界を中心とした様々な事件や問題が明るみに出ている。以前に比べれば、芸能人の労働環境や労働組合についての議論は交わされつつあるようにも感じられるが、それでもまだ何か大きな進展があったとは思えない。本書に登場する芸能界の大物達の暗躍や権謀術数は、まるで戦国武将か何かのようで、これらが凡てフィクションであったなら!と考えずにはいられない。勿論、全部を鵜呑みにするつもりもない。ただ、もっと多くの人に読まれますように、と願って……。
読了日:3月9日 著者:星野陽平
ずうのめ人形ずうのめ人形感想
因果や縁故について些か偶然が勝ち過ぎているような気もしますが、それに関する理屈もある程度は示されているので、やはり巧いなと。そして、藤間のメンタルにかなりシンクロしながら読んでました。397ページに記された、二つの名前にもニヤリ。
読了日:3月12日 著者:澤村伊智
すばらしい新世界〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)すばらしい新世界〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)感想
神や宗教は排除されても、「フォード」は残っていると云うのが、何ともアイロニカルだなぁ、と。「連帯のおつとめ」なんかもそうですが……。中盤で野人ジョンが登場してからは、『アルジャーノンに花束を』や『エレファント・マン』のことが頭を過りました。
もし、ジョンとドルリー・レーンが出会ったとしたら、一体どんな会話を交わすんだろう?などと、妄想が膨らみます。
読了日:3月22日 著者:オルダス・ハクスリー
弁護側の証人 (集英社文庫)弁護側の証人 (集英社文庫)感想
ある作品のことを考えていた。ここ五年ほどの間に放送された、原作の設定を大胆にアレンジした連続ドラマのことを。ネタ的には殆ど正反対の代物なのだけれど、事件の起こる空気感のようなものが似ているなぁ、と。因みに、その原作小説よりも本作の方が更に十数年前に書かれていたのでした。おっと、これ以上は……。
読了日:3月27日 著者:小泉喜美子

読書メーター

遊泳禁止区域〜前田弘二作品集2〜

レンタルで。
「誰とでも寝る女」「恋の裸」「遊泳禁止区域」「先輩の女」の四作+特典映像として、前田弘二第一回監督作品「ハナムグリ」を収録。
「先輩の女」の宇野さんと梅野さん、やっぱいいなぁ。

2017年2月の読書まとめ

 今月は《探偵の探偵》シリーズを三冊読みまして、それに澤村伊智デビューもしました。『実験する小説たち』も良かったですね。色々あって、2月は割といい感じでした。

2017年2月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2162ページ
ナイス数:34ナイス

探偵の探偵2 (講談社文庫)探偵の探偵2 (講談社文庫)感想
世間でどのように捉えられているのかは判りませんが、私にとってのライトノベル。前巻から半年以上も空けてしまったので、次はもう少し早めに読みたいと思います。
読了日:2月4日 著者:松岡圭祐
ぼぎわんが、来るぼぎわんが、来る感想
これは、実に素晴らしい! 取り分け章が移る毎の、ツイストの鮮やかさには恐れ入りました。また、あるところでは京極夏彦の某作へのウインクも感じられたり。確かに、凄い逸材が現れたものですね。
読了日:2月8日 著者:澤村伊智
あこがれあこがれ感想
かなり久しぶりの川上未映子。先ず「あこがれ」と云うタイトルが抜群に素晴らしい。読み終えてみると、これしかない!と云う絶妙さ。また、自分の人生で同じようなことがあった訳ではないのだけれど、それでも不思議とシンクロさせられる筆力も痛感しました。何作か読み逃しているので、そちらもおいおい……。
読了日:2月13日 著者:川上未映子
大渦巻への落下・灯台: ポー短編集III SF&ファンタジー編 (新潮文庫)大渦巻への落下・灯台: ポー短編集III SF&ファンタジー編 (新潮文庫)感想
概して、ストーリーよりもメッセージの方が強い、と云う印象を受けました。いや、ここはスペキュレイティブ・フィクションに倣って「思弁」と云った方が適切かも知れませんが。或いは、『ざっくりハイタッチ』のゴトー流に云えば「思想が強い!」とも。
読了日:2月14日 著者:エドガー・アラン・ポー
探偵の探偵3 (講談社文庫)探偵の探偵3 (講談社文庫)感想
連ドラで大筋を把握しているのは、この巻まで。「死神」の正体を判った上で読み進めるのは、どうにも不思議な感覚でした。さて、次はいよいよ未知の領域、ですね……。
読了日:2月17日 著者:松岡圭祐
探偵の探偵4 (講談社文庫)探偵の探偵4 (講談社文庫)感想
連ドラの後に映画化されるんじゃないかと予想して、先にその原作となるであろう『Ⅳ』へ目を通しておこうと考えたのが、そもそもこのシリーズを読み始めた動機でした。実際、そのように感じられるところは幾つもあって、例えば逢坂役に惹きのあるキャスティングをすれば、なかなかいい画に仕上がりそうなシーンが意識的に挿入されていたり……。事件の概要だけに着目すると、何だか『相棒』のSPとかでやりそうな案件だな、と。また、連ドラのラストはここから来ていたのか!と云う発見もあったり。さて、『探偵の鑑定』はどうしましょうかねぇ。
読了日:2月24日 著者:松岡圭祐
実験する小説たち: 物語るとは別の仕方で実験する小説たち: 物語るとは別の仕方で感想
一気に読み終えてしまうのが勿体ないような気がして、じっくりと少しずつ味読しておりました。小説の持つ自由さと、それと戯れるための敢えての制約について、そしてやっぱり「何だってアリじゃん!」と云う高らかな宣言。先ずは邦訳のあるものから、いずれはその先へ……!
読了日:2月28日 著者:木原善彦
淵に立つ淵に立つ感想
一月半前に映画を観た時から、色々と心境の変化を感じました。そして、確かにラストは全くの別物ですね。どちらがいいかと云うのを決めるのは難しいですが、個人的には映画の終わり方の方が好きかなぁ、とだけ。
因みに、124ページの「近接した磁石のNとSが弾き合うように章江は利雄から離れ」と云う表現は、恐らく校閲から指摘が入ったと思うのですが……。
読了日:2月28日 著者:深田晃司

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