「あとがき」の冒頭には、このように記されている。
見てのとおり、三冠小説集と命名した。それで判るように今回、芥川賞、三島賞の受賞作に加え、野間文芸新人賞を受けた本の表題作を合わせて、一冊の文庫に纏めたものである。(p.246)
これほどシャープ且つ明瞭に、本書を表している文章を私は他に知らない。その少し後にも書かれているように、私は正に「私がデビューした年に生まれた読者」そのものである。だから、この一冊は本当に有り難かった。勿論、賞を受けた作品だけを読んでおこう、などと考えている訳ではないのだけれど。
- 作者: 笙野頼子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/01/06
- メディア: 文庫
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