一先ず、ドラマ評論家・成馬零一氏の初の単著として本書が出版されたと云う事実を、率直に喜ばしく想う。私のように、「ドラマ評論」と云う分野を開拓して欲しい、或いは開拓したいと想っていた人間にとって、この一冊は大いなる一冊になるであろう。本書では、ジャニーズタレント9人の出演した25作品*1のドラマについて語られているが、はっきり云って観ていないものは一話もない。これほど、「ここはよく判んねぇや」と想うところの少ない新書を、私は初めて読んだ。出来れば、嵐以外のメンバーをもう倍くらいに増やして、もっと深い論評を望みたかったところではあるけれど、それはまた氏のこれ以降の活動に期待したい。タイトルは些か断定的で強いニュアンスのものではあるが、ゼロ年代のTVドラマ、若しくは役者としてのジャニーズタレント全般について少しでも興味のある方であれば、読んで損はない一冊になっているだろうと想う(と『ひみつの嵐ちゃん!』を観ながら)。
最後に、著者自身のはてなダイアリーに掲載された簡単な目次へのリンク。
TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ! 著:成馬零一 - 成馬零一が考えていること。
TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ! (宝島社新書315)
- 作者: 成馬零一
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2010/07/09
- メディア: 新書
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*1:重複している作品もアリ