死んではいけない理由を重ねていって、それを数えたいなんて甘えとしか言いようがないが、たぶん俺はその甘えを翔子に対しては暴力という形で表してしまった。翔子が二度と俺みたいな男に出会わなければいい、と思う。
たぶん俺はずっと誰かに甘えたい男なのだ。でもそれはこういう形じゃない。もっと、誰も不幸にならないような甘え――そんなことは可能なのか。(p.91)
流石に、『ばかもの』を半分ほど読み、映画『蛇にピアス』を観て、続けて『ばかもの』の残りを読むと云う流れの直後だと、思考も少しばかり下ネタ寄りになってしまいました。
「ばかもの」
- 作者: 絲山秋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/09
- メディア: 単行本
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