公平でないといけないんだ、と野枝は思っていた。誰かをえこひいきしてはいけない。誰かを不当に貶めてはいけない。
けれど今は違う。
みんながその人なりの受けとめかたをしてくれればいい。もちろん距離感というものは大切だけれど、それはもともと野枝に備わっているものだ。(p.138)
何度もやってるけど、オトコと別れるのってどうしてこんなに気分がいいんだろう。確かにつき合うのも、新しいオモチャ――要するにバイブレーター付き抱き枕――を所有する楽しみがあるけれど、別れるときの方がすてきだ。(p.163)

- 作者: 絲山秋子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/07/31
- メディア: 単行本
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