ただ私は、自分の結婚式で蝶ネクタイを締め自分で司会を務めたい、という野望を持っているので、それができなかったら、少し残念だ。(p.52)
「靴に砂が入っちゃったの」と言う相手もいないので、自分のタイミングで立ち止まり、左右順番に片足立ちをする。靴をコンコンと叩き、砂を出す。再び履くと、まだ微かに砂が残っており、ザリザリとする。面倒なので、そのまま歩き出す。
駅に戻る足は弾んでいる。孤独、という言葉には暗い雰囲気が付きまとうが、実際は、ひとりっきりで行動することには、明るい快感がある。
私は群集の中で、ひとりっきりで過ごすことが嫌いじゃない。(p.81)
- 作者: 山崎ナオコーラ
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2007/07/06
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