面白そうだなぁと想って、自分が読む前から人に薦めたりしていたんですが、実際に読んでみたら想像以上に面白くて、ちょっと小躍りしたいほどでした。やったー! 正直、これまで渡辺さんの小説って「Hな人人」くらいしか読んだことがなかったような気がするんですが、この作品の空気感も実に僕好みで、凄く相性がいいなぁと想いました。小田切明と云う殺し屋の、でしゃばり過ぎない感じがいいんですよねぇ。やることは全然違うんだけど、ある種金田一耕助的なポジショニングと云うか何と云うか……。四つの短篇として考えると、三作目の「中の人などいない」が特に好きですかね。あんまり細かいことは書きたくないんですが、このトリックは好きだなぁ。オリジナリティと云うよりは、捻り方の問題だと想いますが。そう云えば、本作が初めて読んだ講談社BOXの作品だったんですが、色が黒だったせいもあってか、結構指紋が気になりましたね。なかなか、こういうコーティングの本体を直に触ることがないものですから。評判が分かれている(と云うか、あまりいい評判を聞かない)銀の箱については、個人的にはいいと想います。まぁ、多少傷み易いのが玉に瑕ですが。
- 作者: 渡辺浩弐
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/12/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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