chronic life

地下室の屋根裏部屋で

悪魔が来りて笛を吹く

み、密室がなくなってるー! と云うか、玉虫公丸元伯爵の事件が原作以上にこじんまりとしてしまっていて、そこが何気に残念でした。まぁ、そんなに盛り上げるべきところでもなかったんでしょうが。とは云え、今回は全体的に脇のキャストの扱いが勿体なかったかなぁ、と。国仲さんの美禰子とか成宮君の東太郎、それに椿夫妻と駒子辺りはまだ良かったんですが、伊武さんの目賀博士とか野波麻帆さんの菊江なんかは、殆ど人数合わせって感じで、これと云った見せ場もなかったですからね。恐らく、原作でもそんなに大きな役ではなかったと想うんですが、それにしたってもうちょっと何とかなったんじゃないのかなぁ。寧ろ、出番的には高橋真唯さんの方が多かったくらいのような……。後はやっぱり(誰とは云えませんが)、犯人として指摘されてからの語りはかなり見応えがありましたね。元々の原作の設定と云うか、犯行の動機となった忌まわしき「悪魔」の振舞い自体がかなり印象的だったので、そこをぶちまけていく様は、相当インパクトがありました。後半の三分の一くらいで、大分持ち直したように想います。それにしても、今回の事件は特に金田一が殆ど何にもやってないような感じがしましたね。まぁ、基本的にそういう傾向は強いんですが、それにしたって何だかなぁ。名探偵らしい活躍と云えば、椿元子爵の作曲した「悪魔が来りて笛を吹く」の謎と、風神像・雷神像のトリックを見抜いたくらい? 曲の謎が解ければ、自ずと秋子が驚愕した理由も直ぐに判ったことだろうし。で、これまでの映像化作品の流れから考えると、次はそろそろ『獄門島』か『悪魔の手毬唄』かなぁ、と。けど、二作続けて「悪魔」が付くタイトルと云うのもちょっと考え物なので、ここはストレートに『獄門島』に一票を。個人的には、頑張って『夜歩く』に挑戦して欲しい気持ちもあるんですが、恐らく無理だろうなぁ。