面白かったですねぇ。これがホラーなのか幻想小説なのか何なのかはよく判りませんし、別に何でもいいんですが、とにかく面白かったです。先ず、文章の肌触りがとても性に合ったし、語られている内容にも凄く惹き込まれた。キャラクターの立て方も巧くて、それぞれの短篇の繋がり具合と云うか、微妙な繋がらなさ具合も心地良かった。『太陽の塔』などとは異なる、抑えた筆致と云う奴が実に効果的だったと想います。中でも、「先輩」の人物造形が非常に興味深かった「果実の中の龍」が一番好きかなぁ。いや全くね、他人事じゃないですよ、実際。素直に、森見凄いなぁ、と。否応なく影響を受けてしまいそうで、今はそれが最も怖いです。
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/10/28
- メディア: 単行本
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