chronic life

I can (not) have relations.

東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン

ちょっと長めになったので、続きを読むでお願いします。当然ですが、内容に触れまくりですので、ドラマをご覧になっていない方(及び原作を未読の方)はご注意下さい。
何はともあれ、良かったと想います。ただ、西谷弘さんの演出にそれほど違和感があったと云う訳ではないんですが、やっぱりどうしても「これを久世さんが演出していたらなぁ……」と云う妄想が頭を過ってしまうシーンが幾つかあって、それは完全に僕の問題なんですが、惜しまれることには変わりない訳でして。エンドロールで「企画 久世光彦」の文字が流れた時は、ドラマ本篇とは全く別の感情のスイッチが押されて、少し涙ぐんでしまいました。で、オカン役の田中裕子さんがファーストクレジットになっていたのは、何だか釈然としないような、でもやっぱりこれはオカンの物語な訳だから、それで良かったのかも知れない、と納得してしまう気持ちが胸中で混沌としていて、なかなかに複雑な心境でした。って云うか、大泉洋主演でいいじゃん。その大泉さんがさぁ、もうとっても良かった訳ですよ。合うだろうなぁとは想ってたけど、予想以上にハマり役でした。一番好きだったのは、オカンが三姉妹で旅行に行った先で倒れた連絡が入った時の出掛けるところから、榎本に「個室に移されました」って云われるまでの一連の流れ。要所要所で神木君にスイッチするのも心憎いよなぁ、本当。広末さんとのラストシーンとかも、グッと来たし。逆に映画版のオダジョーじゃ格好良過ぎるんじゃないの?と、ちょっと心配になったくらいです。それと、「時々、オトン」と云う割には蟹江さんの出番が結構多くて、一蟹江ファンとしては嬉しかったんですが、これでは少し「オカンとボクと」と云う二人ぼっち感に欠けたかなぁ、と。まぁ、実際オトン以外にも色んな人が入れ代わり立ち代わり登場していたので、母と息子二人だけの結び付きと云う面では、全体的に多少弱かったような気もしますが、そこはそれ。特に、笹塚の家で大勢が集まり出した辺りは、オカンの魅力が凄く率直に描かれていた感じで、とても良かったです。後、鼻メガネとささきさんがあんなに引っ張られるとは想っていなかったので、そこは小さなサプライズだったかなぁ。読んだのそこそこ前なんで結構あやふやなんですけど、原作にはなかったような気がします(少なくとも、鼻メガネはあんなに出てこなかったような気がする)。さっきも少し触れたエンドロールで小林薫さんの名前が出て、「あれ? 小林さん、どこに出てたっけ……見逃した?」と想った端から直ぐに出てきて、すっかりやられてしまいましたよ。土田英生さんの脚本も良かったと想うし、映画版は原作&これを越えるとなると、相当ハードルが上がったと想いますよ。いや、これはいい意味でプレッシャーを掛けている訳ですが。