小説と云う奴は、どこまでもどこまでも果てしないなぁ、と云うことを改めて痛感させられました。本当に懐が深いと云うか、闇が濃い。書き手も読み手も、濃霧の中を手探りで進むように注意深く、小説と接していかなければならないんじゃないだろうか、と云う風に強く感じてしまい、今の僕はまだまだ小説に対して真摯ではないような気がしてなりませんでした。いや、全くもってその通りではあるんですが。本書で引用されている作品とか、殆ど未読でしたしね。そんな訳で、ナボコフの『ロリータ』と笙野頼子の『水晶内制度』、そしてドストエフスキーの『悪霊』は、必ず近い内に読もうと決意しました。いや、こういうことを書いていると逆にずっと読めないままになってしまいそうなのは百も承知しているんですが、書くしかないんですよ。書かないと、余計に忘れてしまいますから。それにしても、大学の講義がこんな内容ばかりだったら、僕は今からでもどこかに潜り込みたいくらいです。いや、多分そんなことはないのでしょうけれど。
- 作者: 佐藤亜紀
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2006/08/01
- メディア: 単行本
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