chronic life

I can (not) have relations.

僕の歩く道/第一回

何だかんだ云って僕は、星護さんの演出が好きなんだなぁ、と云うことを痛感しました。とにかく、画作りに掛ける神経の細かさは特筆すべき点で、それだけでもこのドラマを観続ける価値は充分にあると想います。それにやっぱり、草磲君の演技と云うか、役への入り込み方は尋常ではなく、もう本当に画面の中に「草磲剛」はいなくて、ただただ「大竹輝明」が存在していた。と、簡単に一言で云い切っておりますが、これはそう生易しいことではないですからね。本当、草磲君凄い! それ以外のシリーズ連投組(大杉さん・小日向さん・長山さん)なんかの安定振りは、もう何も云うことはないくらいで、これまたただそこにいるだけで、それぞれの役を完全に掴んでいる感じがしました。とりわけ小日向さんは、何だか訳アリな雰囲気が妙に気に掛かってしょうがなかったです。一方、今回初めてシリーズに参加して、尚且つ非常に重要な役を任された香里奈さんについては、正直始まるまでは少し不安だったんですが、そんな想いは全くの杞憂であったと感じさせてくれるほど、とても素晴らしかったと想います。草磲君や、その他の動物園のスタッフなどともよく馴染んでいたし、ラストの初めて輝明に対して怒りを露わにしてしまうシーンなんかも実に良かった。お見逸れ致しました。輝明の兄家族の三人(佐々木さん・森口さん・須賀君)や妹の本仮屋ユイカちゃんなんかは、まだまだ出番があまり多くなかったので、今後の活躍に期待かな。特に森口さん。あの僅かな出番で、見事に輝明へのネガティヴな感情を表現してみせた演技力は、見事としか云いようがなかったので、これから大いにドラマを動かしていってくれるものと想います。そうそう、堀田先生役の加藤さんもなかなかいい味を出していて、今後この先生が輝明にとってどういう存在になっていくのかが、結構楽しみです。そう云えば、森口さん、加藤さん、田中圭君と、案外『汚れた舌』と被っているキャストが多いんですが、ドラマ自体の雰囲気が全く違うせいもあってか、観ている最中はそんなこと微塵も想い出しませんでしたね。何はともあれ、シリーズ最終章に相応しい、第一回だったと想います(今後の展開に、更に期待しつつ)。