最後まで、本当にいいドラマだった。話の展開や台詞も良かったし、キャストに一人も穴がいなかったし、それに制作陣が丁寧に作り込んでいるのがよく判って、観終わってとても清々しい気持ちになりました。事件自体も、途中までは「これはどんな終わり方になっても、後味悪いかもなぁ」と想っていたのですが、涼子と深川の法廷のシーンで、凡てが赦されたと云うか、洗い流された気がして、終わってみれば実にいいラストだったと想います。まぁ、これで全部が綺麗に片付いたと云う訳では勿論なく、寧ろこの後の方が色々と大変だとは想いますが、きっと彼等なら大丈夫でしょう。演者としては、江角さん始めえびす堂のメンバーも非常に良かったし、山本圭さんや孫娘役の谷村美月ちゃんも良かったんですが、今回に限れば、竜雷太さんが最高に素晴らしかった。特に四年前、太田と対峙して「法廷は簡単に騙せる」と云った時の表情が、今でも瞼の裏に焼き付いて離れません。本当、凄い気迫だったなぁ。
全六回と短くて、まだまだ村山の過去の事件やたまをメインの話、それにもっと松尾が活躍出来るエピソードなど、観たい話は沢山あるので、是非続篇をやっていただければな、と。NHKさん、そして井上由美子さん、何卒宜しくお願い致します――。
