中田永一作品が、これに収録されている一作*1しか読めないのは、残念なことだと想う。もっと色々書いて欲しい。本当は、もっと色々読めるのかも知れないけれど。もしかして、僕のさじ加減一つなのか。中村航は今回初めて読んだのですが、長篇も読んでみようかな、と想いました。青春っぽくて良かったです。伊坂幸太郎と本多孝好が同年生まれと云うことをこの度初めて知ったのですが、意外なようで案外納得出来るような気もしました。作品自体はまぁ、この二人のポテンシャルならこれくらい書いて当たり前、と云った印象を受けました。こういう風に、斜に構えて読みたくはないもんですが。それにしても、全体的に「情念」とか「狂気」みたいなものに欠けるなぁ、と想いました。男は恋に、夢を見過ぎなんじゃないだろうか。まぁ、このアンソロジー自体の企画意図みたいなものもあるんでしょうけど。
*1:「百瀬、こっちを向いて」
