chronic life

I can (not) have relations.

乱暴と待機

劇団、本谷有希子/第9回公演作品をDVDで観ました。大変面白かったです。四人芝居で、主役の奈々瀬役を演じるのは馬渕英里何さん。まー、この馬渕さんが凄い。ネタバレになるからどことは云えないんだけど、とにかくあるシーンの台詞と云うか演技は圧巻の一言でした。勿論、全篇通じて素晴らしかったですが。他のお三方も、キャラの立ち具合が半端ない。まぁ、こういう云い方はどうなのかと想いますけど。山根は間と云うか、存在の醸し出す空気感が絶妙。番上は、「番上」って名前が実に合っている役で、そのしっくりき具合と云ったらなかった。梓は、いい意味で「こういう女いるわぁ」と何度想ったことか。強そうに見えて実は弱いんだけど、けどやっぱり……いや、もうこれ以上は書きませんけど。
全体のストーリーについてはあまり書く気がないんですが、始まって一時間ほどのところで、僕からしたら「ここがラストシーンでもいいんじゃないの?」ってくらいの山場があって、この後一体どう話を展開させていくんだろう?と想っていたら、その後更に二転三転。正直、参った。ここでの「参った」と云うのは、無条件降伏的に素晴らしかったと云う意味での「参った」で、長くて退屈したとか、冗長で観てられなかったとか云う意味ではない。と、丁寧過ぎる説明。実際、そんな長いお芝居でもないんですけど。内容、と云うか細かいところについてもちょっと語るのは野暮かな、と。そういう核心的なところは、やはり実際に観てそれぞれに感じてもらいたいですし。と、大抵の作品に当て嵌まるであろう台詞でお茶を濁す。だって、色々とかなり胸に響いちゃって……。
とにかく、本谷有希子はやっぱり凄かった。これは本物だ。もっと他のお芝居も一杯観たいです。けど、僕にはちょっと生は刺激が強過ぎるので、続々とDVD化されることを切に願っております。ま、撮ってなかったもんは無理だろうけど。そこを無理矢(ry。