感想は、後で書きます。ちょっとまだ、何をどう書いたらいいか判らなくて。
上記の文章を書いてから、一夜明けて再び暗くなりました。このままではずっと何も書けそうにないので、云い訳代わりに少しだけ書き連ねてみることにします。
読み始めて暫くは、どうにもこれまで自分が持っていた「小説を読む」と云う感覚と合わないような気がして、かなり読みあぐねていたのですが、ある瞬間、本当に堰を切ったように読み易くなって、そこから先は殆ど苦もなく読み終えることが出来ました。
本来ならこれ以降、内容についてあれこれ書いていきたいところなのですが、今の僕にはどうしてもそれが出来そうにありません。それでも、色々と無理矢理捻り出してもみたのですが、どうにも形になりません。どれだけ轆轤を前に手を加えてみたところで、一向に器の形が定まらないようなものです。僕の目の前にあるのは、いつまで経ってもただの土くれのままなのです――などと書くと、この小説そのものがつまらないように誤解されてしまうかも知れませんが、そうではないのです。小説自体は大変面白く、深く感銘を受けました。こんな貴重な読書体験は、そう何度も味わえるものではないとさえ想っています。ただ、今僕の胸中を渦巻いているこの感情を、巧く言葉に出来ないだけなのです。或いは、それが致命傷なのかも知れませんが。とにかく、これからもっと小島信夫の小説を読んでいきたいと想います。今云えるのは、それだけです。
- 作者: 小島信夫,大橋健三郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1988/01/27
- メディア: 文庫
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