読了。タイトルが示す通り、『季節の記憶』の続篇で、驚くべきことに(驚いてるのは僕だけかも知れないけれど)、初出は何と新聞連載。こんなのが毎日、新聞で読めてたなんて実に羨ましい限りですなぁ。「毎日」と「新聞」を続けて書いちゃうと、「毎日新聞」に読めちゃうので気を遣いますね*1。
中身については、もう何と云うか堪りません。前作に登場していたナッちゃん(と娘のつぼみちゃん)が物語から退いて、その代わりと云ってはなんですが、伝家の宝刀である猫の*2茶々丸が登場。でまた、この茶々丸と視点人物である「僕」の息子、クイちゃんの絡みが非常に素晴らしい。分量はハードカバーで150頁強と前作の半分ほどで、単純に小説としての纏まりと云うか、「よく出来てる」かどうかで云えば、或いは『季節の記憶』以上なのかも知れない。それに何と云うか、珍しくラストがちゃんとオチてるし(笑)。頁数が少ないからと云って、内容まで薄まってる訳では決してないし、寧ろ作中で語られる内容は、こっちの方が色んな意味で濃いかも知れない。もう何と云うか、褒め言葉しか出てこないから、これ以上書いても無駄なような気がしてきた。一言。面白かったです。
最後に、僕が読んだのはハードカバーなんですが、中公文庫版の表紙が気に入ったので、そちらも載せておきますね。あぁ、欲しいなぁ。
- 作者: 保坂和志
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1999/03
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
- 作者: 保坂和志
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2002/04
- メディア: 文庫
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (40件) を見る