chronic life

I can (not) have relations.

扉は閉ざされたまま/石持浅海/祥伝社ノン・ノベル

読了。素晴らしい。読み終えた後、こんなに釈然としないことが沢山あるのに、こんなに面白いと感じてしまうと云うのは、ある種奇跡的なことではないだろうか。それに、この分量で読了後こんなに疲労感を感じるとは想ってもみなかった。ここで云う疲労感と云うのは、俗に云う「心地良い疲労感」であって、掛け値なしに褒め言葉のつもりである。
しかし、どうも石持さんとはメンタル面で合わないようで、心情的にはぶっちゃけ「何だかなぁ」と想わないでもない。特に動機とか。ま、動機はいいか、この際。こういう犯人だからこそ、終章みたいな結末がお似合いなのかも知れないし。陰でこっそり、ほくそ笑んでおくことにしよう。
それと、あまり大きな声では云いませんが、装幀が結構好きだったりする。ノブを握ろうとしてるトコとか、かなりいい。

扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)

扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)