chronic life

地下室の屋根裏部屋で

私生活/高橋源一郎/集英社インターナショナル

読了。何だかこの表紙を眺めていたら、今直ぐに読みたいような気になってきて、自分の中での積読の順番をすっ飛ばして、一足先に読んでしまった。面白かった。今の僕にはうってつけの一冊だったと想う。まだまだ、自分の嗅覚も当てになるな。
1999年から2003年にかけての四年あまり、月刊「PLAYBOY」に連載されていたものを纏めて、書き下ろしを加えて単行本化した代物で、まぁ色んなことが書いてあります。
帯にもある通り、高橋さんはその間に二度離婚して二度結婚している。もうこれで、都合何回結婚しているのか、本人も憶えていないんじゃないだろうか。他にも、色んなところに行ったり、色んなことをしたり、色んなものを観たり、色んなものを読んだり、色んなものを聴いたりと、例によって忙しいのやら暇なのやら、よく判らない私生活が、この中には詰まっている訳です。
そんな中でも僕は特に、第3章の最初の二回*1と最後の回*2が堪らなく好きである。しかし、こういう回が良かったと挙げてしまう僕にも、高橋さん同様「日本人のセンチメンタルな演歌体質」が染み付いているのかも知れないのだが。ま、それも一興。他の回も面白いよ。

私生活

私生活

*1:「鎌倉の蛍」と「猫と墓のある風景」

*2:「さよなら、ママ」