読了。三島を読んだのはかなり久し振りで、恐らく高校時代に『仮面の告白』を読んで以来ではなかろうか。実に八年振り、二作目。
冒頭、その独特な世界観とソーシャルな話題に慣れるのに若干梃子摺ったものの、それを乗り越えてからは、卓越した文章の力もあって、魅力的な物語と会話にグッと引き込まれた。
特に第八章・第九章の、重一郎と仙台の三人組(主に羽黒)との遣り取りは圧巻で、正直どこまで真摯に受け取れているのか詳らかではないのですが、それでも確かに、しっかりと重く心に迫ってくるものがあって、このパートだけでも、充分この一冊を読んだ甲斐があったな、と。それに、第十章の伊余子。詳しくは書きませんが、こういうのも結構好きですね。
しかし、SFだと想って読んだとしたら、かなりビックリするんじゃないかなぁ。

- 作者: 三島由紀夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/09
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 23回
- この商品を含むブログ (71件) を見る