読了。大傑作。1月半ばにして、既に年間ベストが決まってしまった感がある。それ程までに、深く強い衝撃を受けた。話自体は、全くそんなことはないのだが。私の目指している小説そのものと云ってもいい位に。
物語が大きく動いたり、何か驚愕の展開が待ち受けているなんてことは全くなくて、ハードカバーで400頁強ある全篇が、主人公の小説家の思考や住んでいる家の風景や状況の描写、それにその家に出入りしている何人かの親類や知人との会話だけで成り立っていて、その思考や会話が非常に面白いのだ。一人で部屋で小説を読んでいて、こんなにも笑ったのは恐らく初めてではないだろうかと想う程に。その中でも特に、主人公の友人の部下である森中と云うキャラクターが、滅茶苦茶面白くて堪らなかった。何故かと云うと、この森中と云うキャラがどう考えても、カトウさん@id:badにしか想えなくて、一々笑けてしまうのだ。こんなにも小説の中の登場人物と現実の人物を混同してしまったのもまた、初めての体験だった。
兎に角、ここを読んでいる凡ての方に、全速力でお薦めしたい。騙されたと想って、是非読んでみて下さい。
- 作者: 保坂和志
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/07
- メディア: 単行本
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