chronic life

I can (not) have relations.

パズラー 謎と論理のエンタテイメント/西澤保彦/集英社

読了。折角だから、寝る前に一篇だけ読んでおこうかなぁ、と想ったのが運の尽きで、そのまま途切れることなく読み進め、終わった時には既に朝。徹夜です。久し振りの徹夜本。此処迄グイグイと一気に読ませて、そのまま読了させてしまったのは、今年だと『螢』以来二冊目です。それ位の面白さ。傑作。掛け値無しでそう云いたい。本ミスベストの投票前に読めなかったのが、非常に悔やまれる一冊。
甲乙付け難い処ですが、個人的ベストは「時計じかけの小鳥」かなぁ。あの、ラストの何とも云えない突き放し具合が、どうにも心地良くてなりません。次点は「蓮華の華」、「贋作「退職刑事」」かなぁ、「卵が割れた後で」も捨て難い……とか、もうそんな順番に並べることにあんまり意味はなくて、正直全部良かったです。一寸、西澤保彦のことを侮っていたのかも知れない。素晴らしい。
年間ベスト3には確実に入れたい一冊。勿論この後、更に凄い奴と出逢うかも知れませんがね。