chronic life

地下室の屋根裏部屋で

アヒルと鴨のコインロッカー/伊坂幸太郎

是はいい。傑作だ。以上――。
と、是で終わってもいいんだけど、あんまりなのでもう少しだけ。何でしょうね、是は。どうして伊坂さんはこんなのが書けるんでしょう? 努力とか鍛錬とか云う問題や次元では無く、才能や天啓と云う言葉しか想い付かない、僕の貧困な語彙と想像力をお許し下さい。
ネット上の何処かで読んだ感想(書評? レヴュー?)の中に、「彼の描く悪役は非常にステロタイプなものが多いが、彼にとって“悪”とは、魅力的に描く価値も無い存在でしかないではないだろうか?」と云うような主旨のものがあったような気がしていて、僕も少しそんな気がした。

おそらく河崎が口にした「世の中の動物や人間」の中に、江尻さんは入っていなかったんだろうな、と思ったりした。

何て処が、特にそういう想いを浮かばせる。ネタバレギリギリ、或いはバラしている引用かも知れないので、未読の方は読み飛ばして下さい(後になって云っても遅いって……)。
まぁ、何はともあれ、読もうか読むまいか逡巡している人が若しいるとしたら、悪いことは云わない。今直ぐ読んだ方がいい。そして、早くこっちに来なさい。一緒に、語り合いましょう。
取り敢えず、デュラン*1ディランでも聴いてみようかな、と想った。

*1:是で僕もドジっ子の仲間入りですか? その答えは風に吹かれている。