chronic life

I can (not) have relations.

蹴りたい背中/綿矢りさ

続けて読了。やっぱり『文藝春秋』で読むと、二作纏めて読んじゃいますよね、是。まぁ、元々そういう積もりで買ったんだから、別にいいんだけど(笑)。
しかし上の『蛇にピアス』の方で、一寸熱いことを書いてしまったので、こっちを読む時はすっかりクールダウンしてましたよ。けど、こっちも面白かったです。唯のブームで終わって欲しくないな、って感じ。
で、やっぱ皆さん仰ってるように、この『蹴りたい背中』ってタイトルが先ず秀逸。是だけで、多分この小説は勝っている。もし賞取らなかったとしても、少なくともこっちはタイトルで眼を引かれて、手には取ってたと想う。と云うか、実際去年からタイトルだけは踊っていた(文フリの会場とかで/笑)。だって「蹴りたい」んですよ、「背中」を! そんな云いようの無い感情を、こんなに巧く掬い上げた言葉を、少なくとも僕は他に知りません。又その、主人公の「蹴りたい」ハツと、「背中」の持ち主であるにな川の微妙な距離感と云うか、接触のキワキワな感じが、何とも云えず心に響くんですよ、不思議と。
学校と云う奇妙な世界から離れて、僕は既に丸四年経ってるんですが、僕もどっちかと云うとハツみたいな人でしたよ。まぁ、廻りのクラスメートから見たら、若しかしたらにな川だったかも知れないんだけど(爆)。実はそれって結構どうでもいいような気がしてて、要は、ハツかにな川かじゃなくて、ハツかルイかってことなんじゃないんだろうか?と、いきなりメタなことを云ってみる。そういう意味で、僕はハツ寄りですよって話で。
いや、読んでない人には全然判んない話なんだろうな、是。駄目な感想だ……。ま、面白かったってことで。けど多分、単行本は一生買わなかった気がする。それは又、面白さとは別の次元で――とか、上に続けてDEATHい終わりだなぁ、是……。