chronic life

地下室の屋根裏部屋で

獣がれ、俺等のエランド

一夜明けて、ホテルでシャワーを浴びて出て来ると、携帯にはーからの着信履歴が。折り返して話し、今日の待ち合わせ場処・時間を若干修正。どうやらはーは、昨夜の記憶が処々曖昧らしい。本当にかなり酔ってたみたい。不思議だけど、何だか一寸嬉しい気持ち。そうか、あんまりちゃんと憶えてないのか。ムフフ(?)。
昨日の段階で既に行く予定になっていた動物園の、最寄り駅に一足先に到着して、暫しの間はーを待つ。こうして、愛しい人を待っている時間が、何気に好きだったりする。唯純粋に、彼女のことだけを考えていられるし、楽しい気持ちしか湧いて来ないから。だから僕は、待つのが好き。逆に、自分が待たせるのは苦手だけど。
駅のベンチで落ち合って、暫しトーク。やっぱり一寸辛そう。眠気と二日酔いの気持ち悪さ。そして、昨日の夜の、失われた彼女の記憶を補完したり、動物園に連絡したり、友達にメールしたり……。山に近付いて一段と寒くなったので、二人して背中にカイロを貼る。
手をギュッと握り乍ら、雪の山道を歩き、一路動物園へ。人も少なく、一面白く光る雪の中を二人っきりで歩いていると、とても不思議な昂揚感。何だか、今世界中で二人だけがいるみたいな錯覚に陥ったり。いや、是が本当の「君と僕の世界」って奴で(笑)。
動物園は、はーが子供の頃から善く家族とかと一緒に来ていた処で、終始ガイドして貰い乍ら見て廻る。着いて早々、アムールトラやライオン等が食事をする処を見学。写メに怒りを露わにした虎の咆哮に、一瞬緊張感が走る――のに気にしない子供達。いや、是は本当の意味での無邪気さと云うことですか?
その後、冬季で屋内にいる動物達を順番に見て廻る。象やキリン、河馬や獏なんかの大型の哺乳類がいるスペースに、はーの好きなエランドがいた。はーの知っている二匹と、角が生え変わろうとしている若い一匹。耳元に垂れ下がった古い角を、とてもウザそうにしている若いエランドを見て、二人で軽くノッてみて「あぁ、角ウゼぇー」「ウザいよー」ってな感じ。えぇ私達は、何時もこんな感じですけど何か(笑)。
海洋動物や鳥類、ゴリラやヒヒ、猿山なんかをグルッと見て、やっぱ動物って、本質的な部分では人間と一緒だよなぁーと、至極当たり前のことを改めて実感。色んな理性的なしがらみを全部引っぺがせば、人間も他の動物も同じなのですよ。
で、僕の好きなシロフクロウから、カンガルー・ワラビーと来て、はーが「可愛い可愛い!」と絶賛していたウォンバットを見て、出口に向かいます。
それにしても、いい天気でした。あんまり天気がいいもんだから、普段は雨男の称号を受けている私も、すっかり晴れ男の仲間入り(笑)。後、此処でもはーは僕に何とかコケさせようと、度々機会を狙います。一寸した隙を突いて、僕に襲い掛かって来ます。合い言葉は「でって云う♪でって云う♪」。魔法の言葉。笑顔の言葉……。僕は何とか持ち堪えて、結局大きな事故にはならず――あ、事故ってことは無いですが。いや、又そういう悪戯心一杯の時のはーが堪らなく可愛く想えてしまうのは事実ですが(爆)。