chronic life

I can (not) have relations.

慰めて欲しいんだ?

先生、貴方はどうして死んでしまったのですか?


先生、私は貴方と初めて逢った日のことを、今でもとてもよく憶えています。毎日のように想い出していると云ってもいいでしょう。それだけ、あの出逢いは私にとって深い意味のあるものだったのです。直ぐにでも死にそうだった私を、貴方は救って下さったのです。
先生、貴方は何時も、どんな時でも微笑みを絶やさない人でしたね。どんなに辛い時も、どんなに苦しい状況でも、貴方は絵画のようにずっと一つの表情を作ったままでした。しかし、それが時には哀しみを帯びたようにも見え、絶望に暮れているようにも想えました。それでも、それは何時でも微笑みでした。微笑みでしかありえませんでした。
先生、私があの日プールに行ったのは、貴方に逢えるような気がしていたからでした。その通り、貴方はプールの真ん中に浮かんでいましたね。しかも全裸で。私はゆっくりと水の中に入り、まるで何か入水心中のような心持ちでした。
先生、私は貴方の脚に触れました。貴方の腕に触れました。貴方の頬に触れました。貴方の唇に触れました。とても、とても冷たかった。きっと長い間、水の中に浸かっていたからでしょう。貴方の躰は、何時もの微笑みのように固まったままでした。